陽射しが柔らかく温かく、昼間に外にいるのが心地よい季節になりました。夜はまだ寒さも残っていますので、寒暖の差には気をつけましょう。

今の時期は、5/5に【立夏】を迎える前の18日間の【春土用】の期間で、新しい季節への切り替わりの時です。
樹木は新しい葉を生やして古い葉を落としたり、動物たちも毛が抜け変わります。

春土用の頃は、新年度になり新しい生活が始まったことでの疲れや、気温の変化への身体の対応などで肉体的にも精神的にも落ち込みやすいようです。
ですが、それを知っていれば気持ちが上がらないことも自然なことなのだと受け入れられますね。
余裕がある方は、周りの弱っている方を支えてあげてください。

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山の上や高台などから辺りの景色を見回してみると、どこまでも続く空と海と大地。新緑が映える山々。風が吹き、雲間からは太陽の光、水が流れて、生き物たちの声が聴こえます。地球という星が創り出した美しい【自然】。

また大地の土台の上には、家々が建ち並び、道が通り、道路の上には車が走っています。海には船が浮かび、空には飛行機が飛んでいます。人が暮らす【社会】が存在しています。

元々地球にあった天然の自然界のものと、人が作り出した人工的なもの。
どちらもこの世界を構成する大切な要素です。
どちらかを蔑ろにしたり、どちらかを悪いもの・こわいものにすることが不自然なのかもしれません。

人の身体にも【生命】としての面と、【社会】の一部としての面があります。
日々の生活に追われて社会の枠組みの中だけで生きていると、生命としての側面を忘れがちになります。
また人間が考え出した社会のルールで、生命のことを決めるのもとても不自然なこと。

まずは自分の中の[生命の部分]と[社会の部分]を分けて感じてみましょう。
[生まれもって持っているもの]と、[生まれた後に身に付けてきたもの]。
人は社会の中で生きていくものですが、もとは1人の生命として存在しているだけです。

土用のこの時期は、春が極まっている時。
春は始まりの季節。この春、また新しいことがたくさん始まったことでしょう。
でも一度ここで立ち止まり、自分を見つめ直してみることで、夏をさらに心地よく迎えられるかもしれません。